大サービス。
これだけ読めば上手くなれるかも。
そんなわけで河野流の基礎総集編2009の第一回目だ。
上手くなれなかったらごめんちゃい。
まず読む前に心の準備を。
トロンボーンに対するイメージを変えるというのが、
上達への一歩だと考えてほしい。
自分の常識はとりあえず無視して、
「なるほど、そんな考え方があるのか。」
と、思っていただければ幸い。
それでははじめよう。
まずは一番大事な音の出し方。
「唇を震わせてはいけない。」
よくマウスピースをぷーと鳴らしたり、
バズィングをしたりするが、
これはさっさと辞めよう。
どうしても必要なときがくれば、
その時に短時間やる可能性はあるが、
基本的に必要ない。
なぜか。
楽器は勝手に鳴るからだ。
たとえばチューニングBbを吹く場合、
楽器は100km/h(ここでの速度は計測していないので適当な数値)の息が管の中を通れば
チューニングBbが鳴るという風にできている。
なので、楽器に従い、100km/hの息を入れてあげると、
楽器が勝手にチューニングBbを鳴らしてくれる。
この際に楽器は振動しており、
この振動が唇に伝わって、結果唇も震えるというイメージだ。
たいていの人がこの息の速度を無視している。
マウスピースでぷーと鳴らしているのがその証拠だ。
どこにも楽器が求めている息の速度に関連性がない。
つまり楽器を無視している。
これでいい音がするわけがない。
マウスピースでぷーと鳴った音が楽器を通り、
少し大きくなって出るだけだ。
楽器は一切鳴っていない。
楽器が求める息の速度を知る。
そしてその速度の息を入れてあげる。
これが音の鳴らし方だ。
これができずに楽器選びもできない。
何を吹いても同じ音がする。
「息の出口は丸に。」
息の出口(アパーチュア)を丸くするイメージを持つことが重要だ。
楽器の管もマウスピースも丸い。
ここに丸い息を入れるのがもっとも効率がいいのは容易にイメージできるだろう。
なので、息の出口を丸くして、丸い息を作り出すのだ。
だが、いくら鏡を見たところで、丸い出口は作れない。
丸くしようとイメージすることが重要なのだ。
そのためには、唇を外側に引いてはいけない。
真ん中に真ん中に集める感じ。
息を真ん中に集めてあげるように。
上唇の先端は少し持ち上がるように。
どの音域を吹くにしても、常に丸にするイメージを忘れないように。
丸の直径が大きくなれば低音、小さくなれば高音が出る。
「息をカップにあてない。」
せっかく丸い出口で、100km/hの息が出せたとしても、
マウスピースのカップにあたってしまうと跳ね返り、
抵抗として自分に戻ってくるだけではなく、
息のスピードが遅くなってしまう。
結果想像していたものと違う音が出てしまったり、
音を出すのがしんどくなってしまう。
しっかりマウスピースのスロートを通るように狙うのが重要だ。
これも100%は無理なので、そうするイメージをするのだ。
「息を作ってから音を出す。」
なぜかみんないきなり音を出したがる。
そうではなく、まず楽器に息を通してみよう。
ぷすーーーーーっと。
ここで狙った速度まで上げる。
たとえば
200km/hまであげてみる。
楽器が200km/hでハイBbが鳴るとする。
これぐらいで200km/hかなーと思ったら、
その時点で音を出してみる。
仮にこれで出たとする。
その時、あなたはどうやって音を出しましたか?
答えは不明だ。
口をなんかした。
これが答えかもしれない。
微妙に口に何かしらの変化をあたえたはずだ。
言葉では説明できないほど微妙な変化。
この時に使った口の筋肉、
驚くほどほんの少しだけの力だ。
これが音を鳴らすのに必要な最小限の力だ。
マウスピースのみの練習をしていると、
いかに無駄な力が入っているかがよくわかる。
楽器が求める息の速度と、
ほんの微妙な口の変化で、
トロンボーンのいい音というのが生まれる。
「のどとベロの関係」
よくのどを開けろとか言うが、
実際そう言われてもどうやって開けたらいいのかわからない。
結果変なところに力が入り、のどが閉まってしまう。
よくある話だ。
実はのどにはベロが関係している。
音が鳴っている際のベロの状態を探ってみるといい。
ベロが蛇の頭のように持ち上がり、
緊張していないだろうか。
こうなるとベロの根っこであるのどが結果的に閉まってしまうのだ。
ベロの力をできるだけ抜き、重力に逆らわないように、
下の歯の内側に置く。
こうすることで、のどの閉まりを解消できるだけではなく、
口の中の体積が広くなり、息の流れもスムーズになるのだ。
もちろん高音になると、これは無意識の世界だが、
口の中が狭くなり、必要があればさらにベロが持ち上がって、
もっと狭くなることによって、高圧で高速な息を作り出すこともあり得る。
ここまでが音の出し方。
次はトロンボーンプレイヤーの一生の悩み、
タンギングについてだ。
まずはシングルタンギング。
「ONとOFF。」
タンギングは、決して前歯の裏をアタックするものではない。
バレーボールのアタックのように、バシバシやってはいけない。
前歯と下の歯の間にベロの先端を持っていき、
息が通らないように栓をする。
これがスタートだ。
そして出したい息の速度を作り、
瞬時にこの栓を抜く。
するとブレもなく作った息が出る。
音を切る際には、瞬時に栓をする。
すると綺麗にスパッと切れる。
つまりONとOFFだ。
この際に、ベロは前歯と下の歯の間から、
重力に逆らうことなく下の歯の裏にぺたっと瞬時に移動。
これが発音。
逆に下の歯の裏でくつろいでいるベロを、
もとの前歯と下の歯の間に瞬時に持っていく。
これが切れる状態。
難しいのはいかにすばやく移動させるかだ。
とくに発音の時が重要視される。
ちなみによく、TaとかTuとか教えている人もいるが、
特にJazzの場合はDaとかDuと発音すると良い。
ただし母音が「u」のだとのどが閉まる原因にもなるので注意が必要だ。
「Doodleタンギングの練習。」
ちまたで流行のDoodleタンギング(ドゥードゥルタンギング)。
これをマスターするには、日本人は10年かかると言われている。
日本語の母音の少なさが理由だ。
なので挫折する人は多い。
しかし、目的は、Doodleをマスターすることではなく、
シングルタンギング、もしくはダブルタンギングの質を上げることだ。
Da→Lu→La→Lu→La→Lu→La→Lu→La→・・・
という風に、頭だけはDa、つまりシングルタンギングの発音と同じ。
次のLaはベロを90度縦に持ち上げ、
先端を上あごに付ける。
柱みたいになる。
そしてLaはそこから柱が倒れるように、
下の歯の裏に持っていく。
日本語で言うところのレロレロに近い動きだ。
残念なことにすぐにはこれで音が切れないだろう。
でも10年かかるんだから、気長にやろう。
そうすればベロの筋肉が鍛えられ、
クイックな動きが可能になる。
結果シングルタンギング、ダブルタンギングの質が向上するのだ。
タンギングの質とは、いかに素早く、いかに効率的に最小限の動きですむかだ。
これを鍛えていけば、音楽的価値のある演奏が可能になる。
今回は音の出し方とタンギングについて書いた。
最初にも書いたがイメージの持ち方を変えることが、
上達への第一歩だ。
目には見えない個人差もたくさんあり、
これが絶対正しいということは存在しない。
楽器を吹くことに関して、常識は存在しないという考えで読んでほしい。